愛知県芸術劇場様よりお声掛けいただき、舞台でのデジタル(iPad)ライブドローイングを行う機会をいただきました。(開催は感染対策を施し、まん防宣言前に終演。)
愛知県芸術劇場が県内の自治体と連携して、県内の子供たちを招いて舞台鑑賞の楽しさ奥深さを味わっていただこうという、『劇場と子供7万人プロジェクト』の一環で行われました。
開催場所は愛知県内・三河地方。観客が小学生で、これは緊張の連続でした。大人よりも反応が鋭いし、正直な彼らを、心から楽しませることができるか...?
会場は小学校5年生6年生を中心とした子供たちが学校単位で来場、開演前のロビーでは賑やかな声がして始まる前からとても盛り上がっていたとのこと。(私自身は楽屋でドキドキしていたので、スタッフさんが教えてくれました。)
初日、大雪の中「神様、iPadがフリーズしないように、そして私がフリーズしないように」と祈りながら会場に向かいました。
作品は、タスマニアを拠点に世界で公演している人形劇団「テラッピン・パペットシアター」の『小さな島とエヴァ』という作品で、過去には愛知県内各所で上演されていたものが、再演を企画するもコロナの影響でカンパニーの来日が難しくなり、日本人のキャストで上演することになったというものです。
使用したiPadも、タスマニアから届いた劇団のものを使用。アプリは絵本のようにページめくりのできるのが特徴です。
演目のテーマは、環境問題や異文化への理解をテーマにしたもので、エヴァという女の子のモノローグを中心に、パペットとプロジェクター+iPadと生演奏での音楽や効果音、迫力ある照明で見せる朗読劇。現地のプロデューサーとオンラインで打ち合わせを繰り返し、その日までリハーサルを続けました。
オンラインのやりとりも、YouTubeも、それはそれでとても良いけれど(もう欠かせない状態だけれど)舞台と言う日常と離れた空間で生の声や演奏、パフォーマンスを身近に感じて、そしてそれらを支えるスタッフの技術、音響、照明などを展開する姿を目の当たりにすることは、子供たちに特別な体験として記憶に強く残るのではないでしょうか。
私自身、演劇や舞台とは縁遠い仕事をしていますが、今回、舞台とは、幕を開けた瞬間はもちろんなのですが、幕があがるまでの地道に積み重ねられたパワーが静かにそして高らかに爆発するのだ…!と感じました。
iPad、ふだんプレゼンや講座で使うことが多いのですが、クラフト紙と木でできたセットに映し出されて、舞台の上で生の声との絡み合い、照明の効果、音楽の響きと組み合わされてものすごい迫力と奇跡を起こせるのだなぁと思いました。
小学生にタブレットが浸透しているのも、興味をもって見ていただいた要因のように思います。西尾と奥三河に集まってくれた1463名の小学生に、ライブで鑑賞するわくわく体験をしていただけたことは感無量です。
NHKの取材に「迫力があった!」「機会があったらまた見に来たい!」といってくれて嬉しかったです
現場でのたくさんの笑顔も拍手も本当に嬉しく、
出演者のみなさん、お声がけくださった主催の愛知県芸術劇場様、全ての関係者の方に感謝します。
新年あけての初仕事を終えて、しばらく舞台ロスが続きそうですが、私もこの体験をもとに、さらにいろいろな垣根を超えた「描く」ことの楽しさ、嬉しさ、価値を伝え続けたいと思います。