成安造形大学 濱中倫秀先生からご依頼いただき、グラフィックレコーディングを含む「可視化コミュニケーション」の講義をさせていただきました。
まず、感動したのは成安造形大学の美しさ。
「美しい湖国唯一の芸術大学」と謳うだけあって、そのキャンパスは造形の美しさに溢れています!
今回の内容は2週に分けて前半後半にかけて行う講義。
イラストレーション領域や情報デザイン領域など、領域の違う学生たちの参加でしたが、それぞれの領域の知見も活かしつつ、スピーディに可視化して行くことに躊躇なくチャレンジする姿が素晴らしいと感じました。
どんどん描いていただく内容で、あっという間に紙が足りなくなり、学生たちの描くスピード、アウトプットまでが目に見えて早くなって行きました。
1回目の講義が終わった後には「絵の利便さがわかった」「何となく誓っていた記号や人も役割を明確にすると効率的!」「百聞は一見にしかずとはこういう事なんだな」「海外の方にもわかりやすいのでは」という感想も。
「グラフィックレコーディングという言葉は知っていたが、実は、その場で描くもの、後からまとめるものなど、様々なものがあるということが知れた」「ものをビジュアル化することに関心があったので勉強になった」など、日頃「グラレコ 」という言葉だけが先行しがちな中で、少しでも深い領域を知っていただけた事が特に嬉しく思いました。
グラフィックレコーディングという呼称が広まるにつれ、ともすると「グラレコ っぽいイラストにして」などと本来のあり方と少しずれたオファーが来るということもよく聞きます。
議論や対話を可視化するときには、その場の目的をしっかりと共有してから行うべき、という内容は特に力を入れて伝えました。
一週間後、2回目の講義。
実際にヒアリングしていく課題では生徒たちの話す声と描くマーカーの動きで教室はヒートアップ。笑顔で話す姿と、それをしっかりとビジュアルに反映する姿がとてもパワフルでした。
美術系の大学の学生だけあって、ベースとなる表現力は豊かなだけに、あえて強調したのは「場の目的を捉えて、アウトプットのギアチェンジをすること」の重要性でした。
コミュニケーションを円滑にするために議論を可視化する場で、「君は絵がうまいから描くのは君が担当ね!頼むよ~」という状況ではなく、(それが効果的な場ももちろんありますが)皆が自分の考えをわかりやすく開示することを促すためのマインドセット、ファシリテーションの姿勢もぜひ知ってほしい。
まずペンを持った人がどんな表現をするか、どうやって周りを巻き込んでいくのか、のフレームを今回理解していただけたかと思います。
限りある時間の中、最小限のレクチャーでここまでレコーディングできる事を目の当たりにし、「打てば響く」というのはこういうことなのだあと感動しました。
今回は、同日に「就活サポート講座」として「グラフィックレコーディングを学ぶ」という2回講座も開催。
こちらも積極的に学びたいという皆さんが参加されて、
「ディスカッションに役立てたい」「就活はもちろん、いろんな場面で活かしたい」という感想をいただけました。
終了時間が遅くなるにも関わらず、学びに積極的な皆さんが素晴らしいと思いました。
優しい自然に囲まれ、制作や学びに没頭できる素晴らしい環境と、
温かくかつしっかりと生徒を導く先生方、
そして細やかなサポートに力を尽くす事務課の皆さん。
そして、今回お声がけくださった濱中先生に、心から感謝いたします。
立命館大学 長田先生とのパタンランゲージの学びの場での繋がりが、川が少しずつ広く深くなっていくように繋がってきたのがとても嬉しいです。
貴重な機会をいただき、一歩踏み出すことで様々な学びの環境に出会えるということに改めて感謝しています。
そして、何より集まってくださった学生の皆さん、ありがとう。
今度は皆さんとどこで会えるでしょう。
とても楽しみです。
ぜひ、皆さんの力を活かして、
これからの未来をより面白いものにしていってください。