可視化する=言葉や議論を目から入る情報に変換する。それは、どんなことに役立つのか、何を変えることができるのか・・・。ビジュアルの力の理解を広めるためには、、日々の、自分が関わらせていただいた可視化の現場で感じたこと、経験したことをお伝えすることが大切なのかなと思います。
先日、とあるグループ会社の経営者会議で、「これからの会社指針を可視化する=成形されていないモヤモヤを形にする」グラフィックレコーディングをさせていただきました。
趣旨としては、新年度の目標達成のシナリオをドキュメント化し、しっかりボトムダウンして会社の裾野までそのビジョンを浸透させたい、その為に、源流でこのように語り討議しあって、この会社の目標やゴールは作成されているのだと、動画やグラフィックを見せることで伝えたい、と言うことでした。
会議室は広く、眼下にビル群。まさか、こんなシュッとしたところで、模造紙とマーカーでお絵描きするとは、、、などと考えながら、約10枚の模造紙を貼りました。
開始当初は、飛び交う言葉も英語と日本語が入り混じり、ヒアリングすら難しく、
今そこの窓から飛び降りて聖徳太子に生まれ変わりたい..と考えてしまうほどのカオス。
(たくさんフォローしていただきながら切り抜けました。)
事前に一度、進行について打ち合わせもあったのですが「そんなにとっちらからないと思いますよ」という予測と裏腹に、見事な混沌。
描いたものもお見せはできないのですが、言葉を受け止めながら描いたものは、その場にいらっしゃる人々の頭の中のモヤモヤを、そのモヤモヤのまま表した抽象絵画に近いものでした。
経済用語というかビジネス用語ではなく、メタファーを用いた右脳な(?)言葉が飛び交い、そのまま描き表していく。
どんどん場が面白くなっていきました。
混沌としている、けれどその混沌こそが今までなかったものが生まれる瞬間なのかなと感じました。
そしてタイムリミット。
描きあげたグラフィックは、その場を鏡のように映し出し「超抽象」になりました。
こちらも汗びっしょり。
これで良いのだろうか?さすがにそんな考えが頭をよぎりました。
しかし、
「この絵があってよかったよ、なかったら収束のフェーズの入り口にも行けなかったと思う。」
「新鮮だった。言葉が絵になると何を考えねばならないかがわかる」
「力関係がフラットになるので外部のレコーダーに来ていただいて良かった」と、思いもかけない言葉をいただき、ほっと力が抜けました。
全てお渡しして、
あとは駅に向かい夕暮れをとことこと移動。。
帰りながら、
過去に道場に参加されたあるコンサルファームの若い男性社員が「自分の職場で使うイメージがわかないんです....」と言っていた事を思い出しました。
ああ、今日の現場を見せたいなあ、としみじみ思いました。
いろんな意味で世界が変わっていき、大企業も個人も三つ巴で行き先を探り戦い可能性を探している今、「何がリアルな情報共有なのか」「本当の試行錯誤とはなんなのか」という事に気付き皆実践を始めているのだと。
砕けていえば、【カッコつけた】自己武装になりがちな机上の空論を、【ぶっちゃけて】自らの思考を自分の言葉でアウプットし伝え、今までにない形を作る事を求められていると賢いリーダーは感じ取っているのだと。
あなたの仕事でこそお絵描きを使って欲しい。
と、あの時の彼にもっと強く言ってあげられたら。。。
そんなふうに思いながら、、、缶ビールをプシッと開けました。
描くことで、仕事は変わる。
少しづつでもそれを伝え、これからの変化に関わり続けていきたいと思います。