「学校に新風を吹き込みたい」その想いを描き、参加者の皆さん、登壇者の皆さんと共有した1日。
「すべての親と教師が必ず見るべき作品だ 」と絶賛される、アメリカの教育ドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed」の上映会と、パネルディスカッション:What School Could Be an un/conferenceが千代田区麹町中学校で開催されました。
映画のエグゼクティブプロデューサー:テッド・ディンタースミス氏が初来日し登壇されることもあり、会場は200人以上の人たちで埋められ、すごい熱気。
第1部は教育ドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed 」の上映、第2部は- 米中で4月発売の「What School Could Be」出版記念講演- 日本の教育改革者とのパネルトーク- 参加者提案型ディスカッション (アンカンファレンス)
このうちの第2部をグラフィックレコーディングさせていただきました。
テッド氏の講演はまさに圧巻。
覚える・繰り返す・従う…今まで良しとされ教育の現場で教えられた事が、近い未来根こそぎAIが持って行ってしまう。そんな中で教育はどうあるべきか、子供はどう自分の才能を花開かせるのか。
4歳の自分が持っていた好奇心や自信は、どうしたら大人になって活かせるのか。
…答えがすぐにはでにくいかもしれないけれど、また、もしかしたら全ての人に対する正解ではないかもしれないけれども、「変化」に同じアンテナを持った者同士がコミュニティを創り動く事で、「自主的な学び」が実現していくのではとおっしゃっていました。
特に印象的だったのは「この映画は、Netflixからも声がかかったが断った。」とおっしゃっていた事。営利ではなく、あかりを一つづつ灯すように自主上映を紡がれ、理解や風を起こす事に務めていらっしゃるんですね。日本でも30回を超える上映会が実施され、教員研修や保護者向けの上映会も始まっているとのことでした。
“My goal with this film isn’t to make money, but to to help all schools move forward.”
by Ted Dintermith
(この映画はビジネス目的で作った訳ではない。全ての学校が前進することを助けたいだけなんだ。)
もちろん同時通訳を聴きながらのレコーディング。
熱を帯びると早口になってしまうテッド氏でしたが凄技の通訳でとてもスムーズに描けました。
その後は、千代田区立麹町中学校 工藤勇一校長・東京都立武蔵高等学校・附属中学校指導教諭 山本崇雄先生・同志社中学校 EdTech Promotions Manager(ICT教育推進担当)反田 任先生とモデレーターのFutureEdu Tokyo | Most Likely to Succeed 日本アンバサダー竹村詠美氏のパネルディスカッション。
質問も活発に飛び交い、最後の一枚でちょうど終了となりました。
約3時間のグラフィックレコーディングでしたが、一つ一つの言葉が大切なキーワードとして響いて、なおかつ私の中の「4歳児」の心がどんどん目を覚ますような感じ。
描いていて全く疲れを感じないそんな3時間でした。
描いたスペースは登壇されるみなさんのすぐそばでしたが、描き終わった後、サポートしてくれたMISTLETOE グラレコトライブのYOKOさんとKOJIMAさんのフォローで一旦講堂の壁に仮貼りし、上階のホールへ移動。
交流の場も毎日現場で様々な問題と対峙する教育関係者の方々でいっぱいでした。
セッション全てを一字一句議事録のように記録するのではなく、ポイントポイントで皆さんの記憶が蘇るような視覚要素をいれながら、できるだけキーワードを拾っています。
今回は海外からの参加者も多く、文字ばかりにならないように、また、キーワードで英語で伝わりやすいものは英語にしました。
今回のグラフィックの目的は、パネルディスカッション後に行う交流会で
このグラフィックを貼った部屋で内容について語ったり、議論をする事でした。
皆さんがグラフィックを前に議論し記録する姿が多く目にし、
また、明日からの自分のアクション宣言を貼るパネルも盛況で、想いが見える事の成果を感じました。
午後からはミネルバからの留学生のアクティブラーニングのワークショップや
日本の教育改革先駆者の方々が各教室でテーマ別アンカンファレンスが実施されました。
これからの未来に立ち向かうための意欲や活気に満ちた空間。
描いたグラフィックは今後もカンファレンスや他の学校でのイベントで貼っていただけるとのことで、娘を嫁に出すような気持ちでまるっとお渡ししてよかったなと思いました。
帰途に向かいながらも
本当の改革ってなんだろう
世界の中で教育がどんなふうに変わっていっているのか
とは言え大学と言うフレームに入れないことによる不安はどうなんだろう
テストで良い点を取って大学に入り大企業に行ってから大きな家を建てて安泰に暮らすと言う少し昔の「幸せ」の形が、この第4の産業革命で崩壊していく....
ならば
教育がどんなふうに変わるべきなのか
親がどう考えていくのか
教育の現場がどう考えていくべきなのか
そんなことが頭をぐるぐるとしていましたが、
「迷い考えるからこそ、道ができる。怖いのは、なにも変えないこと。」
と、この映画が、そしてこのイベントが、私に強く教えてくれたと思います。
0から作り出すことができる人間でありたい。
明日も、えがこう!
Photo by Chidori Fessler & Kanako Kuehara , thanks!