アスリートと食。意外な組み合わせが教育の現場で活かされているのです
アスリート食アドバイザー金村祐美子さんは、アテネ・北京オリンピック カヌー日本代表をつとめたスーパーアスリート。大学での客員教授や研究を進めながら、アスリートの視点から子どもたちの食を考える「アスリート食育講座」を開催しています。
今回はそのイベントの「報告書をわくわくするような、興味をもって読んでもらうようなカタチにしたい!日高さんならなにかしてくれるかもと思って」という嬉しいオファーをいただき、イベントに密着グラレコ、最後はその内容を冊子に仕上げるという実験的でもあるミッションに参画させていただきました。
「KOBEアスリート食育講座」とは?
一般社団法人アスリートネットワーク協力のもと、平成29年度から開始されたイベントで、『アスリートが中学校の教壇に立ち、自身の経験から「夢・目標の大切さ」を伝え、一緒に調理することを通して、「未来のために今必要な栄養バランスのとれた食事の作り方」「自身の体調や摂取する栄養に目を向けることの大切さ」を、生徒たちに伝える取り組みです。』(神戸市教育委員会事務局スポーツ体育課より抜粋)との説明が神戸市サイトに掲載されています。
千葉すずさんをはじめ、サッカー、バレーなどで活躍したアスリートが中学校を訪れて、目の前で自分の言葉で語り、おすすめのレシピを紹介してくれ、調理実習も一緒にしてくれる!そしてみんなで食べられる!というリアル&面白い試み。そして、「食べること、生きること」をリアルに学び実践する、とても魅力あるイベントなのです。
とにかく、文字だけの報告書は、読んでもらえないんです。
最初の打ち合わせで、イベント後の報告書について、まず解決したい問題を定時いただきました。
『絵をふんだんに使った内容なら、その日来れなかった子も読んで興味をもってくれると思うし、参加した子もそれを家に持って帰って家でも作ると思うんです。』と金村さんにおっしゃっていただき、まさにグラフィックレコーディングの長所を活かせる事案だと感じました。
そこでの打ち合わせでも、どんどん「こうしたい」「それできるといいですね」など、可視化しながら打ち合わせ。
教室で模造紙を広げるグラフィックはできないけれど、実際に私もみなさんとともに聴きながらその内容をノートテイキングして、最終その場の熱や思いを共有できるような絵にして報告書に入れることになりました。
中学校の中で繰り広げられている深い内容。これはすごい。
金村祐美子さんの進行のもと、
ゲストアスリート:井上香織さん(バレー)【強い体を作った食事】
鈴木慎吾(サッカー)【夢を叶える食べ方】
千葉すずさん(水泳) 【強いココロを作る食事】
の3人が2日間をかけて神戸市立高取台中学校でセッションを行いました。テレビの取材もあり、ワクワク感が高まります。
教室には、美術の先生やみんなが書いた驚愕のチョークアートが!
生徒たちのキラキラ光るまなざし。熱く語るアスリートのみなさんの絵が浮かび心に残るお話。
そして湯気の立ち込める調理実習室。
「これなら家で作れる!」「意外と上手やなあ!」「俺家でも料理してんねん」
…など、まだあどけなさの残るほっぺたを上気させながら、みんなが心から学び楽しんでいる様子が印象的でした。
アスリートのみなさんのお話そのものも素晴らしく、ノートを取る手がとまりません。
描く手がもうとまらない。。
調理実習の現場では描くことはできなかったのですが、皆さんの生き生きとした様子は目に焼き付きました。
その後、ノートに描いたグラレコを元に、冊子用に編集、リライトをし、
動画を見て検証などを重ね完成!
金村さんには監修者としてリードしてくださいました。
金村さんの「想い」のひたむきさ、熱さがなんといってもこの仕事のやりがいでした。
「子どもたちの食の環境はたくさんの問題をはらんでいますが、
一歩でも私のできることをやり続けたい」と語る金村さん。
また、一緒に子供たちのためになにかできる日を楽しみにしています。